佐賀県西部に位置する豊かな自然と文化の街、武雄。武雄町昭和、国道34号線沿いの一角にある敷地に、10階建ての分譲マンションを建設する工事。品質管理を重点的に実施した工事を中心に、現場における当社の『ものづくりへ懸ける情熱』を紹介します。
建物規模:地上10階建て
建物構造:鉄筋コンクリート造
敷地面積:1,070.62m2
延床面積:2,485.08m2
工 期:14カ月
用 途:共同住宅(分譲マンション)
外装仕上:タイル貼り、一部コンクート打放仕上
内装仕上:天井及び壁 クロス貼り仕上、床 フローリング貼り仕上
所 在 地 :佐賀県武雄市武雄町大字昭和280
【1】工事は地中の基礎躯体工事から始まりました。30mを超える上部建物を支えるために8mのコンクリート杭を24本打ち込み、その上部に高さ約3mのコンクリート基礎を構築しました。国道や近隣施設が隣接した現場でしたので、地盤崩壊防止の壁(建設業では山留[やまどめ]と呼んでいます)を設置して工事を進めています。
【2】着工から4か月後の様子です。地上部の躯体工事に着手しています。躯体工事完成までこの作業を10回繰り返していきます。
【3】当社に永らく協力頂いている鉄筋工や型枠工などの専門工事業者によって設計図に従い、コンクリート打設に向けた準備が進んでいきます。
【4】着工から8カ月が経過すると、建物の7階あたりまでコンクリートの打設が進んでいます。
【5】当社では『現場の特性を捉えたメリハリの効いた施工管理』が重要であると考えています。「設計図に記載された通り鉄筋を組み立てる」、「設計図で定められたコンクリート仕様と現場に納入されたコンクリートが合致しているか確認する」といった管理は全ての建設現場で当たり前に実施されて然るべきです。
当現場の特徴として地震が発生した際に、建物の耐力にとって重要な柱や梁が重大な損傷を受けない様に『耐震スリット』という材料が採用されています。非常に有用な材料ですが、一方で「入れ忘れ」「箇所間違い」「コンクリート打設の衝撃による破損」というミスも付き物の材料です。
そこで設計者様との協議により、『338箇所のスリット材についてコンクリート打設前とコンクリート打設後の写真を全て記録する』という方針を決め、実際に写真管理を行いました。結果、建物の所有者様はもちろん全部屋の入居者様にも『耐力を確保する為の適切な施工がなされている』ということを保証することが出来たと考えます。
【6】【7】鉄筋の組立状況については設計者様の検査を受検し、合格後にコンクリート打設を行っていきます。
【8】着工から約8か月後、仕上工事に着手しました。こちらは内装工事の状況です。建物内での「結露」を防止する為に断熱材の『現場発泡ウレタン』を外気と接する外壁面に吹き付けていきます。
【9】「結露」は代表的な品質クレームの一因であり、『断熱材の規定厚みが適切に確保されているか?』という管理項目は居住施設にとって非常に重要となってきます。吹付工事完了後に全ての吹付面について吹付工事業者の自主検査、当社の元請検査を行い、その上でお施主様の品質管理ご担当者様に検査を実施して頂きました。
【10】断熱工事が完了後、天井と間仕切壁の工事を行いクロス貼りで仕上げを行いました。床は下階への騒音を低減する為に二重床を施工後にフローリング貼り仕上げとなっています。
【11】こちらは外装工事の中でもタイル工事の状況です。タイル本体の色と目地色のコントラストが特徴的な色使いとなっており、周辺建物との性格の違いを演出しています。
【12】【13】タイル工事において最も気を付けなければいけない項目は『剥落防止』です。タイルが剥がれ落ち、下部の通行人などに当たれば大事故に繋がります。老朽化した建物のタイル剥落は今、全国的に問題になっています。今回の工事ではタイルが張られている下地の動きに対して追従性の高い『弾性接着ボンド』を使用しています。従来のセメント張り工法と比較して剥落の可能性が低くなっています。また、『ボンドが適切に充填されているか』、『張られたタイルに十分な引張耐力があるか』という2つの管理項目について抜き取り検査を実施することで後々のタイルの剥落防止に努めています。
【14】【15】これまでに紹介した項目以外にも様々な施工管理を行うことで竣工まで到達することができました。居住者様にとって末永く愛される建物になるよう、アフターフォローもきっちりと行って参ります。